嘘偽りの愛しい体温


少しして蓮也は窓から這い上がり中へと入って来た


良かった…


蓮也も私も助かったんだ…




「災難だったな」


「…死ぬかと思ったよ」


「だろうな」


「うん…本当、怖かった…」


「よく頑張った」




蓮也はごつごつした大きな手でそっと優しく頭を撫でてくれる


小さく震える身体は徐々に緊張感から解放され


未だ強く打ち付けられる鼓動が少しずつ落ち着いていくのがわかる。



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