嘘偽りの愛しい体温
「君と出会って蓮也は変わった。君の存在自体が蓮也の力になってるんだ。この前の百貨店での事件の時に確信した」
「……………」
「君が助かった時のアイツの顔が、今だ忘れられないんだ。何年振りに見たかな、アイツの優しい顔」
優しい顔、か
私にはわからない
私が蓮也の力になってるなんて…どうしても思えない
私は、確かに拒絶された
あの時何度名前を呼んでも叫んでも、振り向いて貰えなかった
私に背を向け帰って行った蓮也の背中が…忘れられない…。