嘘偽りの愛しい体温


「それがアイツなんだ。冷静沈着で何を考えてるのかわからない。だから惚れた女も苦労したんだと思う」


「……………」


「仕事上ある程度は仕方ないと思うけどさ、俺はアイツを過去から救ってやりたくてさ。それには君の力が必要なんだ」


「それなら私じゃなくてもっと気の利いた、蓮也の傍に長くいる人が良いんじゃないですか?私はもう…告白してしまったし、何も出来ません…」


「いつも傍にいる奴が必ずしも有利って訳じゃない。気になるから、これ以上好きにならない為に距離をおく事もある。アイツの場合はそれなんだよ。君が気になる中、君の気持ちを知ってしまった。だから離れた。アイツらしい選択だと俺は思う」




もし、それが本当だったとしたなら…私…少しは希望を持って良いのかな…。



< 251 / 400 >

この作品をシェア

pagetop