嘘偽りの愛しい体温
「両親にはそれぞれ愛人が居て。私の存在が邪魔だったみたいで、離婚後の親権を互いに譲り合ってたんだ」
両親は顔を合わせる度に喧嘩ばかりで、その度に私の事をなすり付けてた
小学生の時は気付かなかったけど、中学生になった時自分の家庭が普通と違う事を初めて知った
「幼い頃の記憶なんてないけど…物心付いた時に母親の手料理を食べた記憶なんて一度もないし、家族で出掛けた事も一度もなくて」
自分の生い立ちを話すのは恥ずかしいけど…蓮也には聞いて欲しい。