嘘偽りの愛しい体温
「里桜、手どうした?」
「あ…こ、これは…」
「ケーキ作る時に切ったのか」
「…う、うん」
蓮也は私の手を取ると、絆創膏だらけの指先へそっと口付けを落とした
「こんな怪我までして俺の為に頑張ってくれたんだな。有難うな」
「蓮也の為に何かしたくて……遅くなっちゃったけど、お誕生日おめでとう」
「あぁ、有難うな」
「所で蓮也っていくつなの?」
「お前…知らねぇのか?」
「うん、知らない」
蓮也は不思議そうに私を見つめる。聞いた事なかったよね、確か。