ありえねえって[完]
俺は無意識の間に安原に蹴りを入れていた。
ガンッ…!!!
俺の回し蹴りは見事安原の首筋に当たり、
安原は痛そうにうずくまった。
「てめえ、人を何だと思ってんだ。女を何だと思ってる。てめえの遊び道具じゃねえんだよ。」
低い声で鋭く刺した言葉には俺の怒りが込められていた。
久しぶりだ、俺が感情的になるのは。
女を自分の飾りくらいにしか思ってねえ奴が、亜実に好かれる訳ねえだろ。バカかこいつ。