粉雪はきっと泣いていた
「名雪!次体育だよ~!
早く着替えて行こ!」
「…あっ!うん!ごめん、ちょっとまって…」
近藤 名雪、16才。
「最近ぼーっとしてるよね?どしたの?」
私は今を生きてるんだろうか。
思い出すのは過去の君ばかり。
「そう?最近寝不足だからかな~。」
「なにかあった?大丈夫?」
「なんにもないって!みなは考えすぎ!ほらっ体育行こ!」
なんにもないよ。なんにも。
あの頃みたいに君と笑いあうことも、なんにも。
きっと、今の私には何もない。