月の骨
0.僕
五年の歳月を経て、僕は大きく変わってしまった。
大切なものが欠けてしまった生活の中で
ささやかな祈りを捧げながら
息を潜めて生きてきた。
多分、僕はまともな人間ではない。
家族もいない。
それでも
今生きていけるのはきっと
彼女がこの世界に
僕を引き留めていてくれているからだ。
これから始めるのは、僕の崩壊と再生の物語。
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