月の骨
僕は日曜日になると、一週間分の洗濯物を抱えて、車で30分掛けて家に帰る。
家に帰ると、新聞受けにたまった新聞をかき集め、中身は読まずに廊下の脇に積み上げる。それから洗濯機を回して、一週間分の洗濯をする。ほとんど出歩かず、こまめに着替える必要もないので洗濯物の量は少ない。
ポストに溜まった郵便物の整理もする。ほとんどはダイレクトメールだから、そのままゴミ箱に捨てていく。時折、彼女宛てのダイレクトメールが混じっているけれど、彼女には届けるすべもないから、僕はそれもゴミ箱に突っ込む。
留守番電話には、山城からのメッセージが残っていた。
僕はそれを再生しながら、軽く掃除機をかける。ひとの生活が無くても、不思議と部屋は汚れていく。掃除機はモーターをうならせ、埃を吸い取り、山城の声は掻き消される。
午前中はだいたいそうして時間がつぶれる。
それから、昼食を兼ねて近くのショッピングセンターに買物に行く。