月の骨



 僕は山城とともに車を降り、社員用ので入り口を通って上階のフロアに向かった。


 エレベーターの中で、山城が言った。



「『IZAYOI』が再び地球からの信号を受け付けなくなった。

だが、既に『IZAYOI』は地球へ向かって帰還中だ。」


「そうなんだ。」


 僕は言った。それは、僕の知らない情報だった。


 相変わらず、テレビもラジオも新聞も見ない生活だったけど、自分の担当しているプロジェクトは把握しているつもりだった。



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