月の骨


 山城は僕の真後ろの位置で、立ったまま後方の壁に背を預けた。微かに、溜め息が零れる。


「言葉通りだ。お前には前科があるからな。

念のためだよ。」


 僕の位置からは山城の表情は見えない。だが、彼が五年前のことを言っているのは間違いない。



「もう、あんなことはしない。」

 僕は言う。咄嗟に、ポケットの中のUSBを握りしめて。



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