月の骨



──ピピピピピ。



 僕が消火器から視線を戻した時、背後で電子音が鳴り響いた。


 山城の携帯電話だ。


 僕が振り向くと、山城は胸ポケットから携帯電話を取りだし、僕に背を向けるように動いた。



 今だ!!!



 僕は立ち上がり、キャスター付きの椅子とともに、加速を付けて山城に体当たりした。




< 141 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop