月の骨



 そう言うと、山城は笑った。


「言ったはずだ。

俺はお前が何か仕掛けるのをわかっていてプログラムを組ませた。

ある意味共犯者だ。この秘密は墓まで持っていくつもりだ。



それに、先に殴ったのは俺だしな。」



 それだけ言うと山城は、荷物をとってくると部屋を出ていった。





 僕は呆気にとられつつその後ろ姿を見送って、山城は本当にバカがつくほどお人好しだと思った。



< 164 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop