月の骨
山城のマンションにつくと、僕はエントランスの近くに車を止めた。
しかし、山城はまだ話があるようで、シートベルトを外しただけで動こうとしない。
「どうした?」
僕もさすがに疲れが出始めていたので、早く家に戻りたかった。
なので僕は、山城の言葉を促すように尋ねた。
彼は少し考える素振りをみせたが、やがて口を開いた。
「お前さ、これから仕事はどうするんだ?」
その答えを、僕はまったく持ち合わせていなかった。