月の骨


 山城のマンションにつくと、僕はエントランスの近くに車を止めた。


 しかし、山城はまだ話があるようで、シートベルトを外しただけで動こうとしない。



「どうした?」


 僕もさすがに疲れが出始めていたので、早く家に戻りたかった。

なので僕は、山城の言葉を促すように尋ねた。



 彼は少し考える素振りをみせたが、やがて口を開いた。



「お前さ、これから仕事はどうするんだ?」


 その答えを、僕はまったく持ち合わせていなかった。




< 167 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop