月の骨


「あぁ、すみません!」



 朔夜は恥ずかしそうにビラを受け取り、苦笑いを浮かべる。

 肌の色が白くて、華奢な体をしているのに、目だけは黒々として大いのが印象的だった。

 僕の顔が、朔夜の黒目の中にはっきりと映り込む。


「転んじゃいました、あはは。」

「そうみたい、ですね。」

 苦笑いする朔夜に、僕も苦笑いで返す。

「あの、スカート…。」

「え?」

 朔夜の顔が一瞬きょとんとなって、それから視線を自分の下半身に移す。途端、「あぁ!!」と顔を真っ赤にして、スカートの裾を戻した。



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