月の骨


「朔夜、朔夜、朔夜……。」



 僕は何度も彼女の名前を読んで近寄る。



 朔夜は自分の下腹部に手をあてて、相変わらず微笑んでいた。


 僕は朔夜の手元をみて、驚く。


 緩やかな曲線で膨らみを帯びたそれは、新しい命が宿っている証──。




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