月の骨



 目が覚めたとき、僕は居間のソファの上だった。


 日が傾き、部屋の中は薄暗かった。


 僕の目や頬には涙のあとがたくさんついていて、耳の中まで濡れていた。


 夢の中でたくさん泣いたらしい。



 もう朔夜の気配はどこにもなかった。






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