月の骨


 ふと、山城から預かった封筒が僕の目に止まった。


 テーブルの上におきっぱなしだったそれが、何故だかとても大切なもののように覚えて、僕は封筒の中身を確かめた。


 それは紛れもなく新発見の小惑星に関する資料で、僕は資料にざっと目を通した。



 そして、あるところで目が止まった。


それは、発見者の氏名。






──Sakuya-Watanabe。



 紛れもなく、僕が愛した朔夜の名前だ。




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