月の骨


 朔夜は死ぬまで、僕がタバコをやめたと信じていた。


 結局僕は、朔夜が死んでからタバコを止めて、仕事も辞めて、生きることもほぼ止めて死んだように生きてきた。




 その全てを、五年経った今、戻そうとしている。


 居ないのは、朔夜、君だけだ。




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