月の骨


 山城は、プロジェクトの責任者になっていた。僕をアルバイトとして雇うくらい、造作もないらしい。それでも、責任者というのは、文字通り責任が伴うものだから、彼はこのところ不眠不休で働き続けていた。

 家にもロクに帰っていないと言って、薄汚い無精髭を蓄えていた。


 だから、僕の復帰を人一倍喜んでくれた。



 僕には専用の個室と3台のワークステーションが与えられ、初日から早速仕事に取り掛かった。




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