VALEN－TINE

「誰？」

泣きじゃくったあたしの顔を覗き込むように見る、しらない男の子。

「誰？じゃなぁぃ～～～！！礼花っ！」

ついついそういってしまった。
はっきりいって初対面の人なのに、迷惑だとか考えてなかった。

「なんで中庭なんかで泣いてんだよ。」


「知らないっ知らないっ知らないったら知らないーー！！」


「やつれてるね、礼・・花。」

そういってその男はあたしに手をかけた。

「よっと。」

あたしをお姫様抱っこするとあたしが知らない場所へ連れて行った。


見たことない、景色。
感じたことのない、開放感。
聞いたことのない、自然の音色。

それは・・・・・・・・・・・・・・、、、