VALEN-TINE
好きっていった?小山くん。

いった?いったよね、いってた・・いってましたよ?
どういうこと?小山くん、気は確かかい?


「ねぇ・・それ、本当?」


小山くんは俯いたまま、こくんとうなずいた。

屋上の隅のてすりで俯く小山くんにかぶさるように、あたしが抱きつく。


「えっ!礼・・・。」


「ぁ・・ぇっと、、、あたしも・・好きっ!」


い、え、た、   けど。

どうしよう。詩音くんは。
あきらめたくない。あきらめれない。のに。なのに。

ごめんなさい、好きだよっていってしまって。
でも、好きなんです。
でも、もっと好きな人がいるんです。


もっともっと、本気になれる人がいるんです。
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