VALEN-TINE
小山くんがなんだか愛しい。
いや、だってただ・・・向こうの嫉妬かもしれないよ?!
いやはや、なんであたし馬鹿に向こうばっかが好きみたいに言ってんだろ。

“あたしが好きなだけ”

虚しいな。あたしだけが、なんてさ。
小山くんは確かに・・詩音くんと同じで高嶺の花。
うーん・・たぶん詩音くんより高嶺の花かな。。
なのにさ、その気持ちをもてあそんだようなあたしって。

かなり有罪だよね。

あたしは屋上に照りつける太陽にだけ、涙を見せた。
泣くって痛いか?
だってさ、全然、、、ただ気持ちを晴らすだけ。
でもさ、なんか痛かった。

“小山くん”

あたし、どれだけあの人のこと思ったんだろう?
チョコの行方を妨げる人だった、小山くん。
気持ちが悲しいとき、近くにいた小山くん。
詩音くんより素でいられるぬくもりを持った、小山くん。

だからあたしは本命と義理の2つのチョコを用意しようと決めた。

その日、どっちにどちらをあげるか決める。

かなり迷いそうだな。

チョコレート、溶けないといいな。

甘さで、溶けちゃうかな?

あたしと一緒に、
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