VALEN-TINE
あー、ひなたに悪いことしちゃったんだった。
もうひなたなんてどうでもいいとか思ってた。
ひなた、ごめんね。
詩音くんのこと、怒ってる?
けど、こんなあたしを許してね?
なんて、ずうずうしいかな、重荷かな。


せめてひなたにだけはよく思われたかった。


これ、あたしの本当の気持ち。
うじうじとかはやめたいの。
ただ単に、ひなたに助けて欲しかったんじゃないの?
あたし、弱ー・・・・。

「礼花っ!あんたぁ、どこいってたのっ!!」

はぁはぁと息を荒めて壁に手をかけるひなた。
ちょっと男の子っぽい、しぐさもなんとなく。

「ちょっと・・・禁断の場所。」

「危ないなぁっ!!」

ちょっと強めに笑って言ってくれたひなた。
頭をなでなでとなでられる。
こんな優しさ、あたしにだけだとうれしいな。
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