十五の石の物語
私が向かった先は宝石店だった。
通りを横切ろうとした時に偶然見掛けた店だ。
(こんな小さな町で宝石なんて買う者がいるのだろうか?)
そんなことを考えながら、私は店の中を見回す。
店内は狭く、宝石もほんのわずかしかない。
それよりも時計がたくさん並んでいた。
「いらっしゃい。修理ですか?」
この店では時計の修理や販売が主な仕事なのだろう。
「いえ……実は、ちょっと見ていただきたい石があるのですが…」
私は懐から青い石を取り出した。
「まぁ!綺麗な石だこと!」
女主人は顔をほころばせ、石を灯りにかざしたり眺めすかしてから、片方の目に丸いルーペを付け、詳細に調べ始めた。
「やっぱりカイヤナイトね。
だけど、こんなに見事なカイヤナイトは今まで見たことがないわ。
こんなに大きいのに、傷一つない。
繊維状の筋の入り方もとても綺麗ね。
たいしたものだわ。
あなた、これをお売りになりたいの?
これだとお金に換算すると…」
「いえ、宝石的価値はどうでも良いのです。
宝石には不思議な力が宿ると聞きますが、この石にはどんな力があるのでしょうか? 」
「良いことをご存じなのね。
そう、宝石にはいろいろな力があり、それは意識して身に付けた方が宝石達もその力を発揮出来るものなのよ。
この石……カイヤナイトには精神力を強くしてくれるパワーがあるのよ。
くじけそうになったり、人の意見で心が揺れ動いてしまうような人にぴったりなの。
それだけではないわ。
この石は心の傷を忘れさせてくれる作用もあるのよ。
精神を強くして『そんなことにとらわれていてはダメだ』ってことに気付かせてくれるわけね。
霊的に鋭い人にはよりその能力を高めてくれて、前世の記憶を思い出させてくれるとも言われているわね。」
通りを横切ろうとした時に偶然見掛けた店だ。
(こんな小さな町で宝石なんて買う者がいるのだろうか?)
そんなことを考えながら、私は店の中を見回す。
店内は狭く、宝石もほんのわずかしかない。
それよりも時計がたくさん並んでいた。
「いらっしゃい。修理ですか?」
この店では時計の修理や販売が主な仕事なのだろう。
「いえ……実は、ちょっと見ていただきたい石があるのですが…」
私は懐から青い石を取り出した。
「まぁ!綺麗な石だこと!」
女主人は顔をほころばせ、石を灯りにかざしたり眺めすかしてから、片方の目に丸いルーペを付け、詳細に調べ始めた。
「やっぱりカイヤナイトね。
だけど、こんなに見事なカイヤナイトは今まで見たことがないわ。
こんなに大きいのに、傷一つない。
繊維状の筋の入り方もとても綺麗ね。
たいしたものだわ。
あなた、これをお売りになりたいの?
これだとお金に換算すると…」
「いえ、宝石的価値はどうでも良いのです。
宝石には不思議な力が宿ると聞きますが、この石にはどんな力があるのでしょうか? 」
「良いことをご存じなのね。
そう、宝石にはいろいろな力があり、それは意識して身に付けた方が宝石達もその力を発揮出来るものなのよ。
この石……カイヤナイトには精神力を強くしてくれるパワーがあるのよ。
くじけそうになったり、人の意見で心が揺れ動いてしまうような人にぴったりなの。
それだけではないわ。
この石は心の傷を忘れさせてくれる作用もあるのよ。
精神を強くして『そんなことにとらわれていてはダメだ』ってことに気付かせてくれるわけね。
霊的に鋭い人にはよりその能力を高めてくれて、前世の記憶を思い出させてくれるとも言われているわね。」