十五の石の物語
「カイヤナイトにはゴールドよりシルバーの方が似合うわね。」

そう言って、女主人は、カイヤナイトのトップに、シルバーのチェーンを通した。



「きっと良くお似合いになるわよ。」

背の高い女主人は私に近寄り、ペンダントを私の首にかけようとした。



「これは私のものではなく、友人に贈るつもりなのです。」

「そうなの。それは素晴らしいことね。
青い石は誰かにプレゼントしてもらうことで、さらに幸運を招くって言われているのよ。」

「そうなのですか。それはまた良いことをお聞きしました。
どうもありがとうございました。」

「こちらこそ、久しぶりに素晴らしい宝石に出会えて、宝石店らしい仕事が出来て嬉しかったわ。
ありがとう…!」

微笑む女主人と握手を交わし、私はサリー達の待つカフェに急いだ。



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