十五の石の物語
「しかし、本当に素晴らしく良い石だねぇ……」
男は、ヴェールのカイヤナイトを穴の開くほど眺めては、感嘆の溜め息を漏らす。
(……そうだ!)
こんなに石の好きな男なら、水上の採掘場のことも知っているのではないか?と、私は思い付いた。
「もしかしたら、この近くにあるという水晶の採掘場をご存知ないですか?」
「あぁ、知ってるぜ!」
「本当ですか!?」
男の返事に、サリーやヴェールの顔が晴れやかに輝いた。
「本当だともさ!ここからはそんなに遠くないぜ。でも……」
「何か問題でもあるのですか?」
「あそこでは事故があって、それ以来、もう閉鎖されちまってるぜ。
まぁ、事故がなくても良いものはもうほとんど残ってない位、掘り尽くされてしまったけどな。」
「その場所は?」
「あんたら、そんな所に何か用でもあるのかい?
ロクな水晶はもうないぜ。」
「水晶は別に良いのですが…」
「え?あんたら水晶の採掘場に行くのに、水晶は良いって…別に何か目的があるのかい?」
「………そ、それは……あ、ある人の思い出の場所なので、ちょっと見てみたいと……」
「その人はそこで働いてたのかい?」
「はぁ…まぁそんな所です。」
私の口から飛び出した咄嗟の嘘は、なんともよくわからない酷く下手な嘘ではあったが、幸いな事に男はそのことに特に違和感を感じていない様子で、私はほっと胸を撫で下ろした。
「そうか~…
あそこは、ちょっとばかしわかりにくい場所なんだよなぁ…」
そうつぶやくと、男は黙って黙々と目の前の料理を口に運んだ。
やがて意を決したように男は深く頷いた。
「よ~し!決めた!俺が連れていってやるよ!」
「いえ、そんな……だいたいの行き方さえ教えていただければ……」
それは遠慮だけではなく、光の途を探す時に、彼がいては都合が悪いと思ったからの言葉だった。
男は、ヴェールのカイヤナイトを穴の開くほど眺めては、感嘆の溜め息を漏らす。
(……そうだ!)
こんなに石の好きな男なら、水上の採掘場のことも知っているのではないか?と、私は思い付いた。
「もしかしたら、この近くにあるという水晶の採掘場をご存知ないですか?」
「あぁ、知ってるぜ!」
「本当ですか!?」
男の返事に、サリーやヴェールの顔が晴れやかに輝いた。
「本当だともさ!ここからはそんなに遠くないぜ。でも……」
「何か問題でもあるのですか?」
「あそこでは事故があって、それ以来、もう閉鎖されちまってるぜ。
まぁ、事故がなくても良いものはもうほとんど残ってない位、掘り尽くされてしまったけどな。」
「その場所は?」
「あんたら、そんな所に何か用でもあるのかい?
ロクな水晶はもうないぜ。」
「水晶は別に良いのですが…」
「え?あんたら水晶の採掘場に行くのに、水晶は良いって…別に何か目的があるのかい?」
「………そ、それは……あ、ある人の思い出の場所なので、ちょっと見てみたいと……」
「その人はそこで働いてたのかい?」
「はぁ…まぁそんな所です。」
私の口から飛び出した咄嗟の嘘は、なんともよくわからない酷く下手な嘘ではあったが、幸いな事に男はそのことに特に違和感を感じていない様子で、私はほっと胸を撫で下ろした。
「そうか~…
あそこは、ちょっとばかしわかりにくい場所なんだよなぁ…」
そうつぶやくと、男は黙って黙々と目の前の料理を口に運んだ。
やがて意を決したように男は深く頷いた。
「よ~し!決めた!俺が連れていってやるよ!」
「いえ、そんな……だいたいの行き方さえ教えていただければ……」
それは遠慮だけではなく、光の途を探す時に、彼がいては都合が悪いと思ったからの言葉だった。