十五の石の物語
「しかし、なぜ、ここに母の絵が…」
「……おそらく…
ここは君の母上の生まれ育った生家なのではないだろうか…?」
「ここが…?」
私は黙って頷いた。
肖像画が飾られてあることを考えれば、そう考えるのが一番自然だ。
まるで関係のない他人の肖像画を飾る事は稀だ。
その時、サリーの大きな声が響いた。
「ちょっと、こっちに来て〜!」
サリーは、二つ先の小部屋から顔をのぞかせていた。
私達が駆け付けると、サリーは手に持っていた小箱を私達の前に差し出した。
「これ、見て!」
可憐な赤い花の模様が彫り込まれた小箱を開けると、中には石が一つ入っていた。
「この石は!!」
薄茶色の石には、十字の印が刻まれていた。
「これは、君のお父上が言われていたキャストライトではないのか!」
「そうです!きっと間違いありません!」
「そうか、キャストライトを探せという君の父上の遺言は、やはり森の民の所へ行けと言うことだったのだな…」
「そうだと思います…」
「君をひとりぼっちであの暗い森で暮らさせるのも不憫だし、かといって普通の人間達には馴染めるかどうか、君の父上は心配されたのだろう…
だから、キャストライトを探せと…森の民の所へ行けと言い遺されたのだろうな…」
「……そして、父の希望通り私はここにたどり着いた…
しかし、皮肉なことにここには誰もいなかった… …」
「皆、一体どこに行っちゃったんだろうね……」
途方に暮れた私達は長椅子に腰かけたまま、起き上がる気力さえ失っていた。
「レヴさん……
これからどうしましょう?
「そうだな…」
私にもすぐに思いつく言葉はなく、そのまま口ごもった。
彼を元気付けてやりたいとは思うのに、何も策が浮かばなかったのだ。
「私はこれからどうすべきなのでしょうか…?」
「……おそらく…
ここは君の母上の生まれ育った生家なのではないだろうか…?」
「ここが…?」
私は黙って頷いた。
肖像画が飾られてあることを考えれば、そう考えるのが一番自然だ。
まるで関係のない他人の肖像画を飾る事は稀だ。
その時、サリーの大きな声が響いた。
「ちょっと、こっちに来て〜!」
サリーは、二つ先の小部屋から顔をのぞかせていた。
私達が駆け付けると、サリーは手に持っていた小箱を私達の前に差し出した。
「これ、見て!」
可憐な赤い花の模様が彫り込まれた小箱を開けると、中には石が一つ入っていた。
「この石は!!」
薄茶色の石には、十字の印が刻まれていた。
「これは、君のお父上が言われていたキャストライトではないのか!」
「そうです!きっと間違いありません!」
「そうか、キャストライトを探せという君の父上の遺言は、やはり森の民の所へ行けと言うことだったのだな…」
「そうだと思います…」
「君をひとりぼっちであの暗い森で暮らさせるのも不憫だし、かといって普通の人間達には馴染めるかどうか、君の父上は心配されたのだろう…
だから、キャストライトを探せと…森の民の所へ行けと言い遺されたのだろうな…」
「……そして、父の希望通り私はここにたどり着いた…
しかし、皮肉なことにここには誰もいなかった… …」
「皆、一体どこに行っちゃったんだろうね……」
途方に暮れた私達は長椅子に腰かけたまま、起き上がる気力さえ失っていた。
「レヴさん……
これからどうしましょう?
「そうだな…」
私にもすぐに思いつく言葉はなく、そのまま口ごもった。
彼を元気付けてやりたいとは思うのに、何も策が浮かばなかったのだ。
「私はこれからどうすべきなのでしょうか…?」