十五の石の物語
私達は、その晩、その屋敷に泊まる事にした。
ヴェールは夜遅くまで、家の隅々を見て歩いていた。
屋敷にはヴェールの亡き母やその親…そしてまたその親…
つまりは、ヴェールの血族の歴史が残されているのだから、彼には興味深くそして懐かしいものばかりだろう。



＊



次の朝、私達は、屋敷の裏の山の方を探索した。

そこには採掘場のようなものがあったが、崩落があったらしく崩れた岩がゴロゴロとあたりに転がっていた。



「ここはキャストライトの採掘場だったんでしょうか？」

「おそらくそうだろう。
もしかすると、ここでの事故が原因でここを離れることになったのではないだろうか？」

「どういうことですか？」

「それはだな…事故によって石が採れなくなったから、そういう地は離れるという決まりがあったとか、または事故により死者が出てしまったためだとか…
もちろん、そんなものはただの推測でしかないのだが…」

「………私達には真実を知る術もないですよね…」

「いや、今はわからずともきっとわかる時が来るだろう。」

さらに山を進むとまた採掘場のような所があった。
そちらの入り口には、板が張り付けられ封鎖されていた。



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