十五の石の物語
「ここもキャストライトの採掘場なんでしょうか?」

「そうだろうな。」

「こちらはなんともなさそうですが…」

「誰かに荒らされないように、ここを離れる時に封鎖して行ったのだろうな…」

さらに山を進んでいくと次第に道幅が狭くなり、人がやっと一人通れる位の幅になったかと思うと、その先には小さな洞穴のようなものが口を開けていた。
サリーでさえも身をかがめないと入れない小さなものだ。
長身の私達には、かなり辛い体勢をしないと入れない。



「入ってみようか?」

「灯りもなしに危ないぞ!」

「平気だってば!」

「よせっ!」

私の制止を聞くこともなく、サリーはどんどん先へ入っていく。
私達もその後を続くが暗い上に天井が低いため、サリーのように早くは進めない。



ゴンッ

私は天井の岩に頭をぶつけ鈍い音が響いた。



「レヴ〜、大丈夫か〜い。」


(…なぜ、わかったんだ…)



私が返事をしないでいると、サリーの笑い声が狭い通路に響き渡った。
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