十五の石の物語
*
「何?何?
言わなきゃならないって一体何のこと?」
「実は、わしの年のことなんじゃが……」
フランツは先程とは打って変わって、話しづらそうに言葉を濁す。
「それならさっき聞いたよ。
確か138歳だったよね!」
「年齢のことなど、たいした問題ではありませんよ。」
「……やっぱり…
やっぱり、皆、信じておらんようじゃの。」
フランツは少し拗ねたような口調でそう言った。
「……どういうこと?!」
「わしは…本当に138歳なんじゃよ。」
「……まさか~…」
「信じんのも当たり前じゃがの…
わしは、崖から落ちた時、たいそうひどい怪我をしとったようでな。
森の民がわしに血を分けてくれたそうなんじゃ。」
「緑色の血をですか?」
「えっ!森の民の血って緑色なの!?」
サリーは驚いてヴェールの顔をみつめ、ヴェールはゆっくりとサリーに向かって頷く。
「実はそうなんです…
私がそのことを知ったのは、両親が亡くなった後のことでした。
私が小さい頃、父がけっこう大きな怪我をしたことがありましたから、血は赤いものだとずっと思っていたのです。
ある時、私は突き出した木の枝で腕を傷付けてしまったことがあったんですが、その時、私の体内から流れ出た血は赤くはなかった…
その時の衝撃といったら…」
ヴェールは、辛い思い出に、眉をひそめ小さく首を振る。
「何?何?
言わなきゃならないって一体何のこと?」
「実は、わしの年のことなんじゃが……」
フランツは先程とは打って変わって、話しづらそうに言葉を濁す。
「それならさっき聞いたよ。
確か138歳だったよね!」
「年齢のことなど、たいした問題ではありませんよ。」
「……やっぱり…
やっぱり、皆、信じておらんようじゃの。」
フランツは少し拗ねたような口調でそう言った。
「……どういうこと?!」
「わしは…本当に138歳なんじゃよ。」
「……まさか~…」
「信じんのも当たり前じゃがの…
わしは、崖から落ちた時、たいそうひどい怪我をしとったようでな。
森の民がわしに血を分けてくれたそうなんじゃ。」
「緑色の血をですか?」
「えっ!森の民の血って緑色なの!?」
サリーは驚いてヴェールの顔をみつめ、ヴェールはゆっくりとサリーに向かって頷く。
「実はそうなんです…
私がそのことを知ったのは、両親が亡くなった後のことでした。
私が小さい頃、父がけっこう大きな怪我をしたことがありましたから、血は赤いものだとずっと思っていたのです。
ある時、私は突き出した木の枝で腕を傷付けてしまったことがあったんですが、その時、私の体内から流れ出た血は赤くはなかった…
その時の衝撃といったら…」
ヴェールは、辛い思い出に、眉をひそめ小さく首を振る。