十五の石の物語
やはり、明日の朝早くから出発するべきだったと私は後悔した。
ジネットをあまり待たせては気の毒だから少しでも早くと思い、そのまま出発したのだが、このあたりには腰を降ろして休むことの出来る場所すらないのだ。
そんな道程が続く中、皆の疲労は増すばかり。
中でもサリーはずいぶんと弱っていた。
前回のマリアの家の近くでのことが脳裏をかすめた。
また、あんなことにならなければ良いのだが……
「サリー、大丈夫か…?」
「大丈夫じゃないさ!でも、歩かなきゃ仕方ないじゃないか!」
「慌てることはない。ゆっくり行こう…」
私はそうは言いながらも、心の中では焦っていた。
これ以上暗くなっては進むのも危険だ。
もし、道を誤り足を踏み外し運悪く谷底にでも落ちてしまったら、命さえ落としかねない。
私はヴェールに耳打ちをした。
「私が先に行き、様子を見てくる。
君はサリーを連れて後から来てくれないだろうか?」
「それなら、私が見てきます。
私は暗い森で育ったおかげであなた方よりずっと夜目が効くのです。」
「そうか。ならばお願いしよう。
頼んだぞ。気を付けてな。」
ジネットをあまり待たせては気の毒だから少しでも早くと思い、そのまま出発したのだが、このあたりには腰を降ろして休むことの出来る場所すらないのだ。
そんな道程が続く中、皆の疲労は増すばかり。
中でもサリーはずいぶんと弱っていた。
前回のマリアの家の近くでのことが脳裏をかすめた。
また、あんなことにならなければ良いのだが……
「サリー、大丈夫か…?」
「大丈夫じゃないさ!でも、歩かなきゃ仕方ないじゃないか!」
「慌てることはない。ゆっくり行こう…」
私はそうは言いながらも、心の中では焦っていた。
これ以上暗くなっては進むのも危険だ。
もし、道を誤り足を踏み外し運悪く谷底にでも落ちてしまったら、命さえ落としかねない。
私はヴェールに耳打ちをした。
「私が先に行き、様子を見てくる。
君はサリーを連れて後から来てくれないだろうか?」
「それなら、私が見てきます。
私は暗い森で育ったおかげであなた方よりずっと夜目が効くのです。」
「そうか。ならばお願いしよう。
頼んだぞ。気を付けてな。」