十五の石の物語
「あれ?ヴェールは?」
「彼なら心配いらない。
それより、君は大丈夫なのか?」
私が手を引こうとしたら、サリーはその手を払いのけた。
「やめとくれ!子どもじゃないんだから!
私なら大丈夫さ!」
「……そうか。無理をせぬようにな。」
私はサリーにあわせ、ゆっくりとした歩調で歩んだ。
それでもサリーの疲労はすでに限界近くに達していた。
時々立ち止まり、息を整える。
さらにしばらくすると、狭い場所にしゃがみこむようになった。
あたりはもう真っ暗だ。
(……困ったことになった…)
サリーを背負って進もうかと私が考えた時、遠くからのヴェールの声が耳に届いた。
サリーもその声で勇気付けられたのか、すっくと立ち上がり、程なくして私達はヴェールと合流した。
「あと少し進むと拓けた場所に出ます。頑張って下さい!
それから、サリーさん、これを!」
暗くて良くは見えない中、ヴェールはなにやら丸くて小さなものをサリーの手の平に乗せた。
「そのまま食べて下さい。」
「何?これ?」
「元気が出る木の実ですよ。」
ヴェールに言われるままに、サリーは木の実を口に放り込んだ。
「すっぱーーーい!!」
サリーは泣きそうな声を上げ、あわてて水を飲み、酸っぱい木の実を流し込んだ。
「ひどいよ、ヴェール!
こんなに酸っぱい木の実だなんて!」
「でも、この木の実は昔から元気が出る実だと言われているのですよ。」
「本当かい?
あぁ〜、まだ口の中に酸っぱいのが残ってるよ!」
サリーはぶつぶつと文句を言っていたが、言い伝えは本当だったらしく、その後のサリーは少し元気を取り戻した様子で順調に歩くことが出来た。
「彼なら心配いらない。
それより、君は大丈夫なのか?」
私が手を引こうとしたら、サリーはその手を払いのけた。
「やめとくれ!子どもじゃないんだから!
私なら大丈夫さ!」
「……そうか。無理をせぬようにな。」
私はサリーにあわせ、ゆっくりとした歩調で歩んだ。
それでもサリーの疲労はすでに限界近くに達していた。
時々立ち止まり、息を整える。
さらにしばらくすると、狭い場所にしゃがみこむようになった。
あたりはもう真っ暗だ。
(……困ったことになった…)
サリーを背負って進もうかと私が考えた時、遠くからのヴェールの声が耳に届いた。
サリーもその声で勇気付けられたのか、すっくと立ち上がり、程なくして私達はヴェールと合流した。
「あと少し進むと拓けた場所に出ます。頑張って下さい!
それから、サリーさん、これを!」
暗くて良くは見えない中、ヴェールはなにやら丸くて小さなものをサリーの手の平に乗せた。
「そのまま食べて下さい。」
「何?これ?」
「元気が出る木の実ですよ。」
ヴェールに言われるままに、サリーは木の実を口に放り込んだ。
「すっぱーーーい!!」
サリーは泣きそうな声を上げ、あわてて水を飲み、酸っぱい木の実を流し込んだ。
「ひどいよ、ヴェール!
こんなに酸っぱい木の実だなんて!」
「でも、この木の実は昔から元気が出る実だと言われているのですよ。」
「本当かい?
あぁ〜、まだ口の中に酸っぱいのが残ってるよ!」
サリーはぶつぶつと文句を言っていたが、言い伝えは本当だったらしく、その後のサリーは少し元気を取り戻した様子で順調に歩くことが出来た。