十五の石の物語




採掘場らしきものはなかなかみつからなかった。
しっかり見て進んで来たつもりだがどこかで見落としたのだろうか?
それとも、まだ先なのか…?と、私達は焦りと不安を感じていた。
耳を澄ましてみても、岩を掘る音はまるで聞こえない。

本当にそんな男はいるのだろうか?
山を間違えているのか?

様々な疑問が私の頭の中にわき上がる。



「ヴェール、本当にこの山で間違いないのかい?」

「ええ、地図によるとそうなります。
多少、実際とは違う場所もありましたが、大まかな部分は合ってますし、それから考えるとどうしてもこの山のどこかだと思われるのですが……」

「サリー、ヴェールの感覚は間違いないさ。
食料もまだあることだし、焦らずもう少し頑張って探してみよう。」

「……わかったよ。」

私も内心はサリーと同じような気持ちだったが、サリーの手前そんな風に言うしかなかった。



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