十五の石の物語




翌日、ジネットは相変わらず一人黙々と歩き続けていた。
昨夜は心細くて泣き出してしまいそうだったが、疲れていたことが幸いしいつの間にか眠っていた。
太陽を見ると、ジネットは少し心が安らぐのを感じた。
明るいうちに少しでもたくさん進んで早く三人に追い付きたい!
そういう思いが先に立ち、注意がおろそかになったのか、ジネットは不意に斜面を滑り落ちた。



「あぁーーっ!」



湿った土のおかげか、たいした怪我はなかったが、またこの斜面を登らなければならないのかと考えるとジネットの気は滅入った。



「大丈夫か!?」

後ろから不意に声をかけられ、ジネットが驚いてふりむくと、そこには一人の男が立っていた。
こんな所で人に出会うと、ほっとする反面、怖くもあった。



「えぇ、大丈夫です。
たいした傷ではありませんわ。」

そういうジネットの服は泥だらけだ。



「よっぽどうまく滑り落ちたんだな。
あんな所から落ちてかすり傷だけですんだとは…」

「そのようですわ。
運が良かったのですね。」

「それより、あんた一人かい?
こんな所で何してたんだ?」

「…一人というわけではないのですが…
仲間が先に行ってるんですが、私は事情があって少し遅れてしまって…」



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