十五の石の物語
「……確かにそうだな…あんたの言う通りかもしれない。
あんたに会えなけりゃ、俺は何も知らず、この先もずっとこんな暮らしを続けてただろうからな……
報せてくれてありがとうよ。」

「これも、あなたのお父上のお導きなのかもしれませんね…
あなたのお母上は石についてとてもお詳しいようですから、きっとその石の力もご存じだと思いますよ。」

「そうだろうな。
いつの間にかおふくろの方が親父より詳しくなっちまってな。
帰ったら聞いてみるよ。
……そういえば、あんたは護り石を研究してるのか?」

「ええ…まぁ…
護り石と言いますか、各地の伝承について調べているもので…」

私は、曖昧に微笑んでそう答えた。



「それなら、俺の知り合いにそういった話に詳しい奴がいるぜ。
シャルロって男で年は俺よりうんと年上なんだが、一時期一緒に石を掘っててな。
何年か前に採掘は引退して、今はこの先の街で雑貨屋をやってるはずだぜ。
石についても伝説についてもかなり詳しい奴だから、なにか面白い話を聞けるかもしれないぜ。」

「ありがとうございます。
こういう話に詳しい人は少ないのでとても助かります。」
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