十五の石の物語
(そんなにすごいと評判の占い師なら、もしかしたら、占ってもらうのにかなりの時間がかかるということか…?
もしくは法外な見料がかかるのか…?)

私はその疑問をピェールにぶつけた。



「その方にみてもらうのは難しいことなのですか?
たとえば、酷く時間がかかるとか……?」

「それがじゃな……」

ピェールはうつむいた顔をそのままに、小さな声でぽつりとつぶやいた…



「……実は、西の塔の魔女に会ったことがある者はいまだ誰一人としておらんのじゃ…」



(……誰も会ったことがない…?)



「一体どういうことなのです?」

「あんた、この先に、たいそう古く大きな木があるのを知っていなさるかな?」

私はなぜそんなことを問われるのかもわからないまま首を振った。



「そうか……精霊の木と呼ばれる大きな木があるんじゃが、そこに小鳥が入れる程の小さな穴があいておってな。」

「そこに手紙を入れておけば、次の日待ち合わせの場所と時間の書かれた西の塔の魔女からの返事が入ってるんだよ。」

ピェールが話すのを待ちきれないかのように、サリーがその続きを説明した。

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