十五の石の物語
シャルロの住む町は海沿いの小さな町だった。
町の近くには白い浜辺が広がっている。



「これはちょうど良い。
私はシャルロさんに話を聞いてくるから、君はこのあたりで時間を潰していてくれるだろうか?
海にでも連れていけば、彼女達も気が紛れるかもしれない。」

「私も海を見るのは初めてなんですよ。」

「そうか。
ならば、楽しめるかもしれないな。
話が終わったら…そうだ。
あそこの店で落ち合うことにしよう。」

私は目についた白い屋根のカフェを指差した。



「わかりました。では、よろしくお願いします。」

「こちらこそ。
では、二人のことをよろしく頼む。」

ヴェールとサリー、ジネットは海の方へ、私は町の中へと分かれた。







「すみません。
このあたりにシャルロさんとおっしゃる方の……」

「あぁ、あんたも視てもらいに来たんだな?」

「視てもらう…?」

私は、男の話の意味がわからず、ただ鸚鵡のように繰り返した。



「なんだ?違うのかい?
あんたが言ってるのは預言者シャルロのことじゃないのか?」

「預言者…?
私が探しているのは石や伝説にお詳しいシャルロさんなのですが…」

「う〜ん、じゃ、やっぱり預言者シャルロのことだと思うぜ。
ここをまっすぐ行って、あの赤い屋根を曲がった所にある雑貨屋がシャルロの店だ。」

私は男に礼を言うと、今、教えてもらったシャルロの店を訪ねた。



(「預言者」とは、一体何のことだ…?!)



シャルロの店はすぐにわかった。
なぜなら、曲がり角を曲がった先には一軒の店しかなかったからだ。
いろいろなものが雑多に並べられている。
店には人気がなく、店の奥には小さなテーブルと一対の椅子がひっそりとたたずんでいた。

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