十五の石の物語
「……シャルロさんは『森の民』について何かご存じでしょうか?」

「森の民の何が知りたいんだい?
……あんたは森の民との関わりがとても強いように見えるが…」

「それはどういうことですか!?」

「……あんたは、もう何人もの森の民に会ったことがあるんじゃないのか?」

「な、なんと……!?」



一体どう答えれば良いのかと、私は酷く困惑した。
本当のことを言っても大丈夫なのか?
そもそも、なぜシャルロにはそんなことがわかるのか…?
考えれば考えるほど、私はどうすべきなのか、わからなくなった。



「なぜ、そう思われるのですか?」

「実は、俺は採掘中に落盤事故にあって死にかけたことがあるんだがな。
なんせひどい事故で、俺自身、もうだめだと諦めかけた時、俺は光に包まれた神様だか天使様だかなんだかわからねぇが、なにしろ有り難い存在の者に救われた…
その者がなにかを言いながら俺を助け、そして現実に俺は助かった。
まわりからは奇跡だと言われたもんだぜ。
そして、その直後からだ。
人の顔を見ただけで、その人の悩みや心の中の秘密、そして将来どうなってしまうかが見えるようになってしまったってわけなのさ。
その見えようは人によって違うんだがな。
あんたを見た時、森の民らしき緑色の髪や肌をした男女が見えた。
あんたと彼等はとても親しそうに見えたからな。」

「そうだったんですか……あなたは、森の民のこともご存じなのですね。」

「あぁ、ある人から話をよく聞いていたからな。」

「ある人とは…?」

シャルロは困ったような顔をして、小さく頭を振った。



「その人物について詳しいことは言えないんだ。
だが、とりあえず、あんたになら森の民のことを教えても大丈夫だと思ってるぜ。」

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