十五の石の物語
*
「レヴ、遅いよ~!」
「待たせたようだな。
すまなかったな…」
すぐにでも、今聞いてきた話をレヴやサリーに聞かせたかったが、ジネットがいる前ではそうもいかない。
私は平静を装い、他愛のない話をする。
「海は楽しかったか?」
「楽しかったよ!
今度は暑い季節に来たいね!
泳いでみたいよ!」
「サリーさんは泳げるのですね。」
「えっ?ヴェール、あんた、金槌なのかい?
情けないねぇ~!
来年になったら、あたしが泳ぎを教えてやるよ!」
「サリーさん、私にもお願いしますわ。
私も実は全然泳げないのです。」
「あぁ~…ジネットはなんだか泳げなさそうだね。
レヴも泳げないんだろ?」
「私は泳ぎはそれなりに得意だ。
屋敷の前に湖があるので、幼い頃からよく泳いでいたのでな。」
「へぇ~…
人間、なにか一つ位は取り柄があるもんなんだね。」
サリーの相変わらずの軽口も、それほど気にはならなかった。
「そうだな…
一つでも取り柄があって良かったものだ…」
「レヴ……どうかした?」
「いや…何もないが…?」
サリーは、私の顔をみつめ小首を傾げていた。
きっと、私がかっとしなかったことを不思議に思ったのだろう。
私は、シャルロに聞いた事で頭がいっぱいで、そんなことはどうでも良かっただけなのだが。
「レヴ、遅いよ~!」
「待たせたようだな。
すまなかったな…」
すぐにでも、今聞いてきた話をレヴやサリーに聞かせたかったが、ジネットがいる前ではそうもいかない。
私は平静を装い、他愛のない話をする。
「海は楽しかったか?」
「楽しかったよ!
今度は暑い季節に来たいね!
泳いでみたいよ!」
「サリーさんは泳げるのですね。」
「えっ?ヴェール、あんた、金槌なのかい?
情けないねぇ~!
来年になったら、あたしが泳ぎを教えてやるよ!」
「サリーさん、私にもお願いしますわ。
私も実は全然泳げないのです。」
「あぁ~…ジネットはなんだか泳げなさそうだね。
レヴも泳げないんだろ?」
「私は泳ぎはそれなりに得意だ。
屋敷の前に湖があるので、幼い頃からよく泳いでいたのでな。」
「へぇ~…
人間、なにか一つ位は取り柄があるもんなんだね。」
サリーの相変わらずの軽口も、それほど気にはならなかった。
「そうだな…
一つでも取り柄があって良かったものだ…」
「レヴ……どうかした?」
「いや…何もないが…?」
サリーは、私の顔をみつめ小首を傾げていた。
きっと、私がかっとしなかったことを不思議に思ったのだろう。
私は、シャルロに聞いた事で頭がいっぱいで、そんなことはどうでも良かっただけなのだが。