十五の石の物語
食事がすむと、私達はヴェールの提案に従い、愛の洞窟を訪ねることにした。
「わぁ…なんだか良い香り……」
洞窟に近付くにつれ、どこからか甘い香りが漂ってくる。
「まぁ!なんて美しい!!」
洞窟のまわりには、まるで愛の女神・ヴィーナスを讚えるかのような美しい薔薇達がからみあい、自らの美しさを誇らしげに競いあっていた。
「これは見事ですね!
この場所にだけ、どうしてこんなにたくさんの薔薇が咲いているのでしょう?」
「多分、それが愛の奇跡ってやつなんじゃないの?」
「サリーさんのおっしゃる通りかもしれませんわ!」
「素晴らしい奇跡ですね!」
おそらくサリーは冗談で言ったつもりだったのだろう。
しかし、ヴェールとジネットにそれを真に受けられて、サリーは困ったような顔をしていた。
「早速、入ってみましょう!」
駆け込むように洞窟の中に入るジネットとヴェールの様子をサリーは半ば呆れた顔で見ていた。
「あの二人、えらく盛り上がってるね~…」
「……そうかもしれないな。」
「は?レヴ、ちゃんと話聞いてる?」
「……聞いているぞ。」
「本当に大丈夫なのかい?」
「だから、ちゃんと聞いていると言っているではないか!」
自分でも止められないままに、私はつい苛々として感情的な声をあげてしまった。
「……じゃ、あたし達も入ってみようか?」
サリーはそのことについては特に何も言わなかった。
それがまた私を不安にさせた。
サリーは,私の様子がおかしいことに気付いているのではないだろうか?
しかし、わざわざ訊ねることも出来ず、私達は押し黙ったまま洞窟の中に足を踏み入れた。
洞窟の中はさほど広くはなく、奥の方は板を貼って封鎖してあった。
薄明かりの中を少し進むと小さな祭壇のようなものがあり、そこにロードナイトの塊が鎮座していた。
祭壇の両脇に薔薇の花も飾られているためか、洞窟の中には外よりもなお強く、薔薇の甘い香りが立ち込めていた。
「わぁ…なんだか良い香り……」
洞窟に近付くにつれ、どこからか甘い香りが漂ってくる。
「まぁ!なんて美しい!!」
洞窟のまわりには、まるで愛の女神・ヴィーナスを讚えるかのような美しい薔薇達がからみあい、自らの美しさを誇らしげに競いあっていた。
「これは見事ですね!
この場所にだけ、どうしてこんなにたくさんの薔薇が咲いているのでしょう?」
「多分、それが愛の奇跡ってやつなんじゃないの?」
「サリーさんのおっしゃる通りかもしれませんわ!」
「素晴らしい奇跡ですね!」
おそらくサリーは冗談で言ったつもりだったのだろう。
しかし、ヴェールとジネットにそれを真に受けられて、サリーは困ったような顔をしていた。
「早速、入ってみましょう!」
駆け込むように洞窟の中に入るジネットとヴェールの様子をサリーは半ば呆れた顔で見ていた。
「あの二人、えらく盛り上がってるね~…」
「……そうかもしれないな。」
「は?レヴ、ちゃんと話聞いてる?」
「……聞いているぞ。」
「本当に大丈夫なのかい?」
「だから、ちゃんと聞いていると言っているではないか!」
自分でも止められないままに、私はつい苛々として感情的な声をあげてしまった。
「……じゃ、あたし達も入ってみようか?」
サリーはそのことについては特に何も言わなかった。
それがまた私を不安にさせた。
サリーは,私の様子がおかしいことに気付いているのではないだろうか?
しかし、わざわざ訊ねることも出来ず、私達は押し黙ったまま洞窟の中に足を踏み入れた。
洞窟の中はさほど広くはなく、奥の方は板を貼って封鎖してあった。
薄明かりの中を少し進むと小さな祭壇のようなものがあり、そこにロードナイトの塊が鎮座していた。
祭壇の両脇に薔薇の花も飾られているためか、洞窟の中には外よりもなお強く、薔薇の甘い香りが立ち込めていた。