十五の石の物語








翌朝、ジネットは再びシャルロの店を訪ねた。



「おはようございます。」

「やぁ、おはよう…」

そう応えたシャルロは浮かない顔をしている。



「実はな…昨晩も…そしてさっきもいろいろ考えてみたんだが……」

「やはり、何も見えないのですか?」

「……もう一度、しっかり視せておくれ。」

そういうと、シャルロはジネットをじっとみつめた。
すべてを見透かされそうなシャルロの鋭い視線に、ジネットは息が止まりそうになる。



「あぁ~~…
やっぱり駄目だ…
……俺の力も弱ってきちまってるのかなぁ…」

「見えないのですか?」

「いや、そうじゃねぇ…
見えるのは見えるんだが、なぜだかあんたのまわりには昨日言った二人が見えるし、森の民が見えるんだよ。
この森の民がダニエルの息子じゃないかと思うんだが……」

「もしかしたら…それはレヴさん…でしたっけ?
その方達と一緒にいれば案内人さんに会えるという意味なのでしょうか?」

「う~ん…考えられるとしたらそうかもしれないな。
……いや、きっとそうだ!
それしか考えられねぇ。
もう少し早く来ればレヴさん達に紹介してやれたのになぁ…」

「いえ、大丈夫です。
私、その方を必ずみつけだしますわ。
その方と一緒にいれば、案内人さんにたどり着けるのですよね?」

「……おそらくな…」

「では、今から早速発ちますわ。
シャルロさん、本当にありがとうございました。」

「いや…たいした役に立てずすまないな。
それより探すあてはあるのかい?」

「町の人にいろいろとお話を聞いてみますわ。」

レヴ達の居場所を知っているジネットは、そう言って明るく微笑んだ。
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