十五の石の物語

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次の日の朝……
各自の持ち場を決めて、手分けしてジネットの情報を集めることに決まった。
ヴェールは愛の洞窟方面、レヴは町はずれ、サリーは町中に出て、ジネットのことを訊ねて歩いた。



「え？本当に来た？」

サリーはカフェでジネットらしき人物の情報を聞き込んだ。



「はい。多分、その方だと思います。
とてもお美しい方ですが、褐色の肌をしていらっしゃるから異国の方なのだろうかと少し気になっていたのです。
もしも、その方なら、ここでお一人で紅茶を飲まれてから、何かあわてた様子で出ていかれましたよ。」

「誰かと会ったような気配はなかった？」

「はい。ずっとお一人でした。」

「そうかい。助かったよ。ありがとう！」

サリーはカフェを出て、他の店を訪ね、町を行き交う人々にも話を聞いてみたが、それ以上は特にたいした情報は聞けなかった。



（困ったな。レヴやヴェールは何かみつかったのかな…
次はどこに行こう…
あ！そうだ！宿の人に話を聞くのを忘れてるよ！）

サリーは宿へ引き返した。



「サリーさん！」

宿に戻る早々、サリーを呼ぶ声がした。



「ジネット！帰ってたのかい！」

「ええ、ついさっき戻ったのですが、皆さんいらっしゃらないのでどうされたのかと…」

「何言ってんだよ。
あんたのことを心配してみんなで探してたんだよ！」

「まぁ！それは申し訳ありませんでした！」

「あんた、どこまで行ってたんだい？」

「え～…っと…あの…
あっちの町外れの方ですわ。」

ジネットは適当な方向を指差した。