十五の石の物語




「レヴさん、大丈夫?」

「……私は……」

「あなたは、さっき、突然倒れてしまったのよ。
無理もないわね……
あまりにも悲しい出来事ですもの。」



(……夢ではなかった…

サリーは、私の身代わりとなって死んでしまったのだ…

なぜ……)



「ヴェールは…?」

「……眠っているわ。
森の民は、心の傷にとても弱いのよ…
人間とは比べ物にならない位に…
本来の彼等の寿命はとても長いのだけど、深い悲しみを受けると死んでしまうことも少なくないのよ。
ヴェールさんもサリーさんのことでとても大きな傷を受けて、死んでしまうのではないかと心配したのだけど……多分、大丈夫だと思うわ。
そう思いたい……」



(多分……?
この上、ヴェールまでが死んでしまったら、私はどうすれば良いのだ。)

私は飛び起きるとヴェールの部屋へ走った。



< 364 / 414 >

この作品をシェア

pagetop