十五の石の物語
「レヴさん……」

「起こしてしまったか…すまない…」

「いえ……眠れなかったのです…」

「……あ、そのままで良い…まだ横になっていた方が良い…」

起き上がろうとしたヴェールを、私は制した。



「私のせいで…君にはとても辛い想いをさせてしまったな…すまなかった……」

「あなたのせいなんかじゃありませんよ。」

「いや…私のせいだ…
私があんな石を買いさえしなければ…!!」

私は拳を握り締め、唇をきつく噛み締めた。



「おそらく…それは避けようと思っても避けられなかったことだと思います。
あなたがあの石に出会うのは、きっと遠い過去からすでに決まっていたこと……」

「そうなのだろうか…」

「えぇ、きっとそうなんです。
あなたは運命の歯車に動かされたにすぎない…」

「そして、サリーはその歯車に逆らって死んでしまった……」

私の胸に悔しさが込み上げ、身体が震え出すのを感じた。



「私には…それすらも決まっていたことのように思えます。
まるで、予期せぬ出来事のように思えるようなことも、実は最初から決められていたことなのではないでしょうか……」

「馬鹿な……!」

「その証拠にサリーさんは……とても満ち足りた顔をして…」

「やめてくれ…!!」

ヴェールが悪いわけではない。
そんなことはわかっているのに、彼の話にどうしようもなく苛々としたものを感じ、私は感情的な声を上げてしまった。
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