十五の石の物語
「そうだね…
ネリーの家とフランツの家に寄ってたら、そして旅の途中で何事かがあったらもしかしたら間に合わなかったかもしれないもんね。」

「今はとにかくレヴさんのことを最優先に考えましょう。
今回はこれで良かったんだと思いますよ。
サリーさん、今夜はこの町で休むことにして、明日の朝、このあたりについて話を聞きこんでみましょう。」

「そうだね。」

いつの間にか、ヴェールはとても信頼出来る男になっていた。
人目を避け、いつも隠れるように生きていたあの頃とは別人のようだとサリーは思った。



「……あんたがいてくれて、本当に良かったよ。」

サリーはヴェールの背中にそっと抱きついた。



「サリーさん…!?」

「ご、ごめん…なんでもないんだ。
さ!早く町に行ってみようよ!」



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