十五の石の物語
いつの間にか、あれから、一ヶ月近い月日が流れていた。
レヴは大丈夫なのだろうか…?
あの魔石が悪さをしかけてきて、レヴの身に何かが起こっていたら…

そんなことを考えると、サリーの胸は締め付けられ、叫び出しそうになった。
不安でたまらない気持ちを懸命に押さえこんではいたが、夜になるとその想いは熱い涙となってこぼれ出る……

サリーはヴェールにそんな姿を悟られないように、声を殺して眠ってるふりをした。



(神様……!
どうか、今度こそ森の民に会えますように…!
そして、レヴがあの魔石から救われますように…!)

サリーは毎晩、あの「星の石」に願いをこめて祈りを捧げた。



(願いが叶う『星の石』
どうか、私の願いを聞き入れておくれ…!)







次の日、二人はこのあたりについての話を聞いて回った。
ずっと歩き通しで疲れているはずなのに、二人共まるで疲れを感じなかった。

ここで、光の途をみつけられなければ、また時間を無駄にしてしまう。
その強い想いが二人の疲れを忘れさせた。

町の人々に話を聞いているうちに、二人はある老人から興味深い話を耳にした。
その老人がまだ幼い子供の頃、不思議な光る道を見たことがあるというものだ。
誰もそんな話をする老人をまともに相手等していないようだったが、それこそがあの光の途に違いないと二人は感じた。
老人にその場所を聞き、そしてついに満月の夜がやってきた。



「では、いつものように、光の途を見つけたらすぐに呼ぶ子で合図することにしましょう!」

「わかったよ!じゃ、あたしはこっちに行くね!」

「はい、では、私はこちらへ。」

二人は手分けをして、光の途を探しに走った。

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