十五の石の物語
「ねぇ、レヴ!そうしようよ。
あたし達、まだ行き先も何を探してたのかも思い出せないんだし、ヴェールの探してる石を探してるうちに偶然思い出すかもしれないし…」
(…また、そんないいかげんなことを…)
「思い出せないのなら、まずは引き返して、西の塔の魔女に会うべきだろう!」
「でも、あたし達はこの森を抜けようとしてたのは間違いないんだから、引き返すのは無駄な事だよ。」
「無駄な事ではない。ちゃんと行き先を聞いて進む方が、やみくもに進むよりは…」
「ねぇ、キャストライトって、どんな石?」
サリーはわざとなのか、自然なのかはわからないが、私の話をさらっと無視してヴェールへの質問にすり替えた。
(…本当に無礼な娘だ。)
私は気分を壊し、口をつぐんだ。
ヴェールは、私の不機嫌な顔に気付いたようでそれを気にしながら答える。
「あ…あぁ、キャストライトというのは薄い茶色の石で…」
「なんだ、そんな石なら、すぐにみつかりそうだね!」
「いえ。地色が薄茶色ということだけではなく、とても変わった石なんです。」
「どんな風に変わってるの?」
「それが……なんでも、石に十字が刻まれているというのです。」
(……十字…??)
「あ~~っ!!」
私が「十字」という言葉を聞いて記憶がよみがえったのと同時に、サリーが大きな声をあげた。
「レヴ!思い出した!!」
「私もだ!」
「一体、何を思い出したのです?」
「探していたものを…!
私達が探していたものこそが、十字架だったのだ!
西の塔の魔女に、進むべき場所へは十字架が導いてくれると言われ、私達は十字の星座をみつけてこの森に入ったのだ。
しかし、本当の十字架はあの星座ではなく、もしかしたら君と出会うことだったのではないだろうか…
十字の石を探している君と…」
あたし達、まだ行き先も何を探してたのかも思い出せないんだし、ヴェールの探してる石を探してるうちに偶然思い出すかもしれないし…」
(…また、そんないいかげんなことを…)
「思い出せないのなら、まずは引き返して、西の塔の魔女に会うべきだろう!」
「でも、あたし達はこの森を抜けようとしてたのは間違いないんだから、引き返すのは無駄な事だよ。」
「無駄な事ではない。ちゃんと行き先を聞いて進む方が、やみくもに進むよりは…」
「ねぇ、キャストライトって、どんな石?」
サリーはわざとなのか、自然なのかはわからないが、私の話をさらっと無視してヴェールへの質問にすり替えた。
(…本当に無礼な娘だ。)
私は気分を壊し、口をつぐんだ。
ヴェールは、私の不機嫌な顔に気付いたようでそれを気にしながら答える。
「あ…あぁ、キャストライトというのは薄い茶色の石で…」
「なんだ、そんな石なら、すぐにみつかりそうだね!」
「いえ。地色が薄茶色ということだけではなく、とても変わった石なんです。」
「どんな風に変わってるの?」
「それが……なんでも、石に十字が刻まれているというのです。」
(……十字…??)
「あ~~っ!!」
私が「十字」という言葉を聞いて記憶がよみがえったのと同時に、サリーが大きな声をあげた。
「レヴ!思い出した!!」
「私もだ!」
「一体、何を思い出したのです?」
「探していたものを…!
私達が探していたものこそが、十字架だったのだ!
西の塔の魔女に、進むべき場所へは十字架が導いてくれると言われ、私達は十字の星座をみつけてこの森に入ったのだ。
しかし、本当の十字架はあの星座ではなく、もしかしたら君と出会うことだったのではないだろうか…
十字の石を探している君と…」