十五の石の物語
またしても、無関係な人間を危険な旅に巻き込んでしまったような気がして私の心は痛んだ。
しかし、その反面、十字の刻まれた石を探すヴェールは、無関係とも言えないのかもしれないとも感じた。
(好むと好まざるとに関わらず、きっとこうなる運命だったのだろう…)
意のままに自分達を動かす運命の歯車に、私は背筋に冷たいものが走る思いを感じた。
「お願いします!どうか私を一緒に連れていって下さい。」
ヴェールが、真剣な顔で申し出た。
「あなた方の探すものが十字とお聞きして、私は運命を感じました。
今こそ、父の遺言を……いえ、亡霊のようにこの暗い森に隠れ棲む自分と決別するために、どうかあなた方のお力を私に貸していただきたいのです。」
無論、私達に異論はなかった。
しかし、十字の指すものがわかっただけで、どこにいけば良いのかは相変わらず何もわからない…
まずは森を出ること…
そこからが新たなスタートなのだ。
***
この先に何が待ち受けているかはわからないが、今はただ前へ進むしかないのだ。
深い事情を抱えたヴェールが、本当に十字架の導きなのかそうではないのか……
それは、まだ誰にもわからない。
3.空晶石…fin.
しかし、その反面、十字の刻まれた石を探すヴェールは、無関係とも言えないのかもしれないとも感じた。
(好むと好まざるとに関わらず、きっとこうなる運命だったのだろう…)
意のままに自分達を動かす運命の歯車に、私は背筋に冷たいものが走る思いを感じた。
「お願いします!どうか私を一緒に連れていって下さい。」
ヴェールが、真剣な顔で申し出た。
「あなた方の探すものが十字とお聞きして、私は運命を感じました。
今こそ、父の遺言を……いえ、亡霊のようにこの暗い森に隠れ棲む自分と決別するために、どうかあなた方のお力を私に貸していただきたいのです。」
無論、私達に異論はなかった。
しかし、十字の指すものがわかっただけで、どこにいけば良いのかは相変わらず何もわからない…
まずは森を出ること…
そこからが新たなスタートなのだ。
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この先に何が待ち受けているかはわからないが、今はただ前へ進むしかないのだ。
深い事情を抱えたヴェールが、本当に十字架の導きなのかそうではないのか……
それは、まだ誰にもわからない。
3.空晶石…fin.