十五の石の物語
市場は、広い敷地の中に数百軒もの露店が軒を連ねていた。
若い者、年老いた者、男、女、明らかにこの国の者と見える者、この国の者ではなさそうな者…
様々な人間達がひしめきあっている。
どこかでは喧嘩を始める者達の罵声が上がり、商談成立の歓喜の声、迷子になった子供の泣き声、酔っ払いの調子っぱずれな歌声…様々な声があちらこちらから聞こえてくる。
私はどうでも良い買い物を続けながら、市場の奥の方へと進んで行く。
気が付くと、私はいつの間にか市場の端っこの場所まで来ていた。
市場の奥は、拓けた場所になっていた。
おそらく、市場を開く前にここに出店者達が集まって店の場所の割り振りをしたり、様々な相談事をする場所なのだろう。
店に出し切れなかったものなのか、たくさんの荷物が一ヶ所に集められ、山のようになって、その上にはいいかげんに幌がかぶせられていた。
(……あれは…?)
その向こう側に荷物ではない何かが見えた。
幌で囲っただけのようにも見えるが、荷物とは少し様子が違う。
もしかしたらあれでも店のつもりなのか?…そう考えると私は妙に気をひかれた。
しかし、考えてみればあんな所に店があるのは不自然だ。
このあたりまで来る客はほとんどおらず、こんな所では売れるはずもないと思っているのか、誰もいない店もあれば、店の奥で店主らしき男がいびきをかいて寝ている店もあった。
それなのにさらにその奥で店を開く者がいるとしたらよほどの変わり者だ。
そう考えると私は余計に変な気をひかれ、その店らしきものを目指した。
若い者、年老いた者、男、女、明らかにこの国の者と見える者、この国の者ではなさそうな者…
様々な人間達がひしめきあっている。
どこかでは喧嘩を始める者達の罵声が上がり、商談成立の歓喜の声、迷子になった子供の泣き声、酔っ払いの調子っぱずれな歌声…様々な声があちらこちらから聞こえてくる。
私はどうでも良い買い物を続けながら、市場の奥の方へと進んで行く。
気が付くと、私はいつの間にか市場の端っこの場所まで来ていた。
市場の奥は、拓けた場所になっていた。
おそらく、市場を開く前にここに出店者達が集まって店の場所の割り振りをしたり、様々な相談事をする場所なのだろう。
店に出し切れなかったものなのか、たくさんの荷物が一ヶ所に集められ、山のようになって、その上にはいいかげんに幌がかぶせられていた。
(……あれは…?)
その向こう側に荷物ではない何かが見えた。
幌で囲っただけのようにも見えるが、荷物とは少し様子が違う。
もしかしたらあれでも店のつもりなのか?…そう考えると私は妙に気をひかれた。
しかし、考えてみればあんな所に店があるのは不自然だ。
このあたりまで来る客はほとんどおらず、こんな所では売れるはずもないと思っているのか、誰もいない店もあれば、店の奥で店主らしき男がいびきをかいて寝ている店もあった。
それなのにさらにその奥で店を開く者がいるとしたらよほどの変わり者だ。
そう考えると私は余計に変な気をひかれ、その店らしきものを目指した。